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   通信教育利用上のポイント
  通信教育は、現在も多くの企業で自己啓発の中心的な方法として利用されていま
 す。しかし最近では、社員教育投資に対する効果について見直しが行われる中で、
 「会社として行う教育」と「個人の責任において行う教育」の区分が進められ、自
 己啓発に対する費用援助が減少していく中で、企業が主導する「自己啓発」として
 の利用は、大企業を中心に低下傾向にあると言えます。逆に個人が自らの費用負担
 による自分のレベルアップを図るという形での通信教育の利用は、増加傾向にある
 と言えます。

  通信教育は、テキストと添削課題によって構成され、体系的に整理されたテキス
 トと理解度を確認する添削課題によって、基礎知識のレベルアップに効果的な方法
 です。また、通信教育は時間と場所の制約にとらわれずに学習できるという点から
 集合研修を行いにくい環境において、有効な方法と言えます。このような点で、通
 信教育は単に自己啓発の方法としてでなく、「会社として行う教育」という場面に
 おいても活用されています。例えば、内定者を対象とした入社前の導入教育として、
 昇進昇格時の知識レベルの全体的な底上げを図るものとして(昇進昇格テストと連
 動させるケースもあります)、集合研修の事前事後の学習資料として、また会社と
 して積極的に奨励したい資格取得のために利用するなどのケースがあります。

  通信教育を「会社として行う教育」の一環として利用する場合の留意点は以下の
 通りです。
 ●ハード(教材)面での問題
  会社側の期待に応えるためには、確実に知識の習得を図る必要があります。その
 ためには、まず教材そのものの質が重要です。教材は下記の点について検討する必
 要があります。
  □テキストの作成時期もしくは改訂時期は適当か?
  法律、税金などの改正が頻繁なものは、毎年改訂されているか。その他の分野で
 も最後の改訂から2年を経過していれば確認が必要。また、内容面で判断できなく
 ても、文中にでてくる年号やデータの出典などからも改訂時期は推察できます。
  □記述されている内容、難易度は想定する学習者に合っているか?
  コース名また教材のタイトルだけで判断しないことが重要です。自社の業種・業
 態に合っているか、難易度など、できれば見本教材を入手し、主要部分だけでも一
 読することが必要です。

 ●ソフト(運用)面での問題
  通信教育の修了規準は、定められた学習期間(多くの場合、テキスト冊数月)内
 に定められた添削課題(多くの場合、テキストの冊数分)を提出し、一定点数(多
 くの場合、平均点が60〜70点以上)をクリアしていること、となっています。
 しかし、添削課題はテキストに書かれていることから出題され、そのテキストの該
 当部分を見ながら解答することができます(自宅学習である以上は制限のしようが
 ない)。したがって、通信教育を修了できないケースの大多数は途中で挫折してし
 まう場合であり、内容の理解度によるものとは考えにくいと言えます。
  また、通信教育の添削課題はに提出から返却されるまでに、3週間から1ヶ月を
 要するものが多くあります。FAX、インターネットなどの情報機器を使ってこの
 期間の短縮を図っているものもありますが、まだまだ少数といわざるをえません。
 1ヶ月前の答案が添削されて戻ってきても、はたしてどれくらいの学習効果がある
 かは疑問です。
  上記の課題の解決を図るためには、何らかの社内の教育施策との連動を図ること
 が必要となります。通信教育を目的として受講させるのではなく、目的を達成する
 ための手段の一部として組み込む必要があると言えます。(通信教育の修了を知識
 の習得や評価として考えるのではなく、知識を習得するための一学習方法として位
 置づける必要があります。)

  最近では、通信教育の効果に対し、疑問視する声が多くなっているようですが、
 ハード面ソフト面の留意点を検討した上で導入すれば、「会社として行う教育」と
 しても充分に活用する機会があるのではないでしょうか。

             (1999/11/29 人材開発メールニュース第66号掲載)

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