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キャリアについて考える

 いつも人材開発メールニュースをご愛読いただきありがとうございます。
 「人材開発ネット★情報BOX」もサイトを開設して、4年目に突入することが
できました。このメールニュースも次号で150回目の発行を迎えることになりま
す。毎年この時期には、発行者であります私の近況を報告しておりますが、今回は
最近感じることを中心にコラムをお届けしたいと思います。

<参考>
※「人材開発メールニュース第50号発刊にあたって」
  http://www.hrd-net.com/column/050.html
※「人材開発メールニュース第100号発刊にあたって」
  http://www.hrd-net.com/column/100.html

 最近20代後半の方から「転職相談みたいなこと」を依頼されることが増えてい
ます。相談に来るのは、ほとんどの方が大学を卒業して入社5年前後、現在の会社
で活躍されている方ばかりです。「転職相談みたい」という表現をしたのは、彼ら
のほとんどは、転職を真剣に考えていると言うよりも、転職も選択肢の一つとして、
これからの自分について…このままこの会社にいるべきか、いていいのか、どうし
ようか…悩んでいるためです。

 個人的な話で大変恐縮ですが、私も独立したのは29歳の時でした。その当時を
思い出すと、仕事も順調でしたし、会社に不満があったわけでもありません。おそ
らく私の年齢や実力以上に仕事も任せていただいておりましたし、むしろ恵まれた
環境で仕事をしていたのではないかと思います(当然渦中にいる時は、それほど実
感する余裕はありませんでしたが)。ただ、非常に漠然とした感じですが、このま
ま30歳を迎えることに何となく不安を感じていたことが、独立を考えるきっかけ
だったような気がします。

 いずれにしましても、転職をするしないということに限らず、20代の後半には
多くの人が、自分のキャリアについて考える時期を持っているのではないかと思わ
れます。個々人の自立性が求められる中で、自分自身のキャリアを計画に考え、形
成していくことが大事だと言われていますが、実際に計画的にキャリアを形成でき
る人材は極めて少数派ではないでしょうか。労働市場が流動化し、転職をする方が
多くなっているのも事実ですが、その場合でも計画的にキャリア形成できているの
は少数派ではないかと思われます。
 自分自身のキャリアというのは、計画的に形成すると言うよりも、ある時に自分
がやってきたことを振り返って、気がついたらできているもののようなもので、意
識的と言うよりも無意識のうちに形成されているようなものであると思われます。

 キャリアを考える中で大事なのは、無意識に形成したキャリアを紐解くことです。
無意識の中で作られたキャリアの中にも、必ず選択する場面があったはずで、そこ
で何らかの無意識の内の意志が働いているはずです。例えそれが自分の意志ではな
く、誰かに言われた通りに従ったとしても、従うことを選択したことには何らかの
意味があるはずです。過去において無意識の内に選択してきた行動を、自分自身の
中で紐解くには、やはり自問自答する時間や環境が必要になります。多くの人は、
日常の生活の中では、自分自身と向き合う機会がなく、そのためにある程度仕事を
覚えた段階=20代後半で、先が急に見えなくなったり、自分自身の居場所が分
からなくなったり、不安を感じるのではないでしょうか。

 キャリアを考えるためには、考える時間や場所が不可欠です。またそこで出され
るアウトプット(=キャリアの方向性や計画)も大事ですが、まずは自分と向き合
って自分のことを考えるというプロセスの方がより大事であると言えます。自分自
身のキャリアに不安を感じる、悩むということは、自分のキャリアを考えている証
拠です。ただし、そこで考えることができなければ、再び悩んだり考えたりするこ
とはできないのかもしれません。

 企業サイドから考えれば、人材に自立性を求めるのであれば、個々人が自分のキ
ャリアを考える環境を提供することや支援することも必要になります。また個人サ
イドから考えれば、自分のキャリアは、結局は自分の問題なので、自らキャリアを
考える環境を創り出すことも必要になると言えます。
 キャリアを考えるということは、将来の自分に期待することでもあります。また
そう言う人材を数多く輩出できる仕組みを持った組織づくりが期待されています。

 いつものように、思いつくままを書いていますが、私も、自らのキャリアを発展
させようとする個人と、個人のキャリア形成を支援する…仕事を含めた環境を提供
しようとする…組織の融合を目指し、ホームページ、メールニュースを介して、情
報発信していきたいと考えております。また今後も、「人材」および「人材開発」
に期待する皆様方と共に考える場として、ホームページ、メールニュースを運営し
ていきたいと考えておりますので、よろしくお願い申しあげます。

           ( 有限会社 ワイズプロジェクト 代表:吉次 潤 )

             (2001/08/06 人材開発メールニュース第149号掲載)


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