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プロ野球・ストライキについて考える
 9月にプロ野球史上初のストライキで土日の試合が中止になった。当日のチ
ケットを持っていて、試合を見られなかった人たちにとっては悔しい限りだろ
う。翌週には球団側がいくつか譲歩を行ってストは回避された。この間の一連
の報道や選手会の古田会長のコメントに接し、とても違和感を持った。
 一体、今回の騒動で何が決まったのだろうか。また、プロ野球は今後も国民
的スポーツとして繁栄していくのか、とても疑問に感じた。

 そもそも報道を見ていると「労使交渉」という言葉が飛び交う。独立自営業
者として1年限りの契約を更新していく選手たちと、その選手を契約に従って
保有する球団側との間は「労使」の関係なのだろうか。そこからが疑問、不可
思議の始まりである。
 新規加入の球団の審査を早く行うことに合意−それはそれで良いことだろう
が、近鉄とオリックスの合併はそのまま既定路線となった。もちろんそこから
あぶれた選手は新球団に移るということになり、既存の選手によるプレイには
変わりはない。だから“新”球団と言われても、選手会側から見れば雇用先の
確保でしかなく、ファンにとって目新しいものになるのかもわからない。話題
の中心である近鉄とオリックスの試合をニュースで見ていても、スタンドはガ
ラガラ、そこにはファンが総立ちになって合併を阻止する姿は見えない。

 今、イチロー選手や両松井選手に留まらず、日本の一流選手はメジャーリー
グに活躍の場を移している。佐々木選手やマック鈴木選手、新庄選手など逆流
入のケースもあるが、現在活躍しているプロ野球の一流といわれる選手の大半
は、条件さえクリアでき環境さえ整えばメジャーリーグに飛び出していきたい
と願っていると思う。2年越しに夢を実現した大塚選手などは、まさにその典
型だといえる。
 ダイエーなど一部の球団を除いて、今年はプレーオフもあってパリーグは観
客動員数を増加させたが、全体的に見れば減少傾向にある。まさにプロと呼べ
る一流プレーヤーも減っている。

 気が付けば、サッカーなど人気スポーツの台頭も著しい。逆に、メジャーリ
ーグに行かせないためもあって選手年俸の高騰気味だという。何せ、東京六大
学のエースから逆指名を受けるために、食事をしながら200万円もポンと小
遣いを渡す球団がある。ドラフト制度など有力新人獲得の課題も多い。そうし
たプロ野球にまつわる構造的なものには何も触れていないで、「やった、やっ
た」「選手側が勝った」「プロ野球は永遠に不滅です」とはとても言えないと
思うのだが。
 
 だからこそ、この一連の騒動は何であったのかと思うのである。
 何か、日本人のお家芸である先送りでなければと祈るばかりである。
 熱烈とはいえないが、熱心なプロ野球ファンの端くれとして心配である。

             (2004/10/04 人材開発メールニュース第304号掲載)


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