- 持続可能な活力ある社会を実現する経済・雇用システム
- 【厚生労働省 職業安定局】
- http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000cguk.html
- 雇用政策研究会報告の取りまとめ。「持続可能な活力ある社会を実現する経済・雇用システム」を構築するには、第一に、雇用の質が向上するための働き方の仕組みの見直しが必要である。非正規労働者の雇用の安定性や処遇がその努力や働きに見合ったものとなり、かつ正規労働者も仕事と生活の調和などの観点から働き方の選択肢が広がり、また不断のキャリア形成が可能な仕組みが必要であり、同時にそれは経済変動の下でも企業が立ち行くことを可能にするものでなければならない。第二に、経済の不確実性が増す中で、離職しても再挑戦可能な仕組みを強化する必要がある。転職してもキャリアがつながっていく仕組み、失業が長引いてもその間に安心して能力を磨き、再挑戦を行えるセーフティネットが必要である。また急速な人口減少の下で、若者、女性、高齢者などへの就労支援を行い「全員参加型社会」を実現していくことが重要である。第三に、雇用の量を増やし質を高めていく観点から経済社会を変えていくことが必要である。新成長戦略により積極的に雇用を創出していくことはもとより、第一に掲げたような働き方の見直しに長期的な視点に立って取り組む企業が市場で評価されるような仕組み作りを進めていく必要がある。
- 人材立国にむけた国民運動の推進を
- 【公益財団法人 日本生産性本部】
- http://activity.jpc-net.jp/detail/lrw/activity000987.html
- 日本生産性本部の提言。わが国は、グローバル化や人口減少などの構造変化に対応し、直面する難局を乗り越えていくため、成長への展望を早急に切り拓く必要がある。しかし、人材なくして、成長はありえない。人材の育成や活用にむけた条件整備は、ひとり経営者だけの問題ではなく、生産性向上を目指すための労使共通の取組課題である。その意味で、生産性運動三原則(雇用の安定・確保、労使の協力・協議、成果の公正分配)の基本理念を改めて認識することがいま重要となる。まさに生産性向上の原動力は「人材」にほかならない。こうした観点から、本委員会は、持続可能な経済社会を構築するためにも、わが国は「人材立国」への道を目指すべきことを昨年4月に提言した。本年6月中旬には、政府による新成長戦略が発表され、その実行が期待されている。こうした中、「人材立国」にむけ着実に歩み出すためにも、労使による人材育成の推進をはじめ、人材づくりの重要な機能を担う学校教育のイノベーションや、全ての働く人々が柔軟に就労しつつ生涯にわたって人材価値の向上に取り組むことのできるような労働市場の改革が求められる。
- 地域間経済格差について:実質賃金・幸福度
- 【RIETI 独立行政法人 経済産業研究所】
- http://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/10070010.html
- 経済産業研究所「ディスカッションペーパー」より。本稿は、日本の地域間経済格差について、公平性の観点から賃金及び幸福度に関する観察事実を整理したものである。要点は次の通りである。(1)個人レベルでの賃金の分散のうち都道府県間格差で説明される部分は1割に満たず、大部分は都道府県内の賃金格差である。(2)要因分解によれば、賃金水準の高い関東と低い東北や九州の間の名目賃金格差のうち7〜8割は観測可能な個人特性および事業所特性並びに物価水準の違いで説明可能である。市区町村人口密度と賃金の正の関係のうち約半分は労働者特性・事業所特性で説明され、残りの半分のうち1/3〜1/2は物価水準の違いで説明される。(3)都道府県別最低賃金を地域別の物価水準で補正・実質化すると、東京は最も実質最低賃金が低い。(4)個人の幸福度に対して所得水準は重要な影響を持っているが、地域間での幸福度の違いに対する所得水準の影響はほとんどない。以上の事実は、所得や幸福度の公平性という観点からは、地域ではなく個人ないし世帯に着目して再分配政策を考えることが適当なことを示している。
- 人材派遣会社におけるキャリア管理―ヒアリング調査から登録型派遣労働者のキャリア形成の可能性を考える―
- 【JILPT 独立行政法人 労働政策研究・研修機構】
- http://www.jil.go.jp/institute/reports/2010/0124.htm
- 労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書」より。登録型派遣労働の入職ハードルは低い。学歴や正社員としての履歴はほとんど問われない。業務未経験であったとしても、ヒューマンスキルが高ければ、それを担保に派遣会社が派遣先へ「押し込む」ことがある。また、専門職で派遣先とのパイプが太い場合、補助的業務から入職出来る可能性がある。次に、派遣期間中のキャリア形成の可能性であるが、キャリア形成を、能力の向上に伴って賃金が上昇するという定義で見た場合、派遣先を移動しながらキャリアを積む「移動型」は、市況によって変化する派遣料金に連動するため、能力の向上に伴う賃金の上昇は担保されない。それよりも、同一派遣先にいて仕事の幅を広げていく「内部型」の方が、賃金を伴ったキャリア形成が出来る可能性が高いが、概して派遣会社の派遣先に対する立場は弱いため、必ずしも期待出来ない面もある。よって、派遣期間中は仕事を通じて実務経験を積むことによる能力形成は可能だが、賃金を伴うことが難しい。
- 女性国家公務員の採用・登用の拡大状況等のフォローアップの実施結果
- 【総務省 人事院】
- http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02jinji02_02000046.html
- 人事院の調査。平成22年度の国家公務員採用T種試験等の事務系の区分試験における採用者に占める女性の割合は、25.7%となり、前年度に比べると4.9ポイント減少したが、現在と同じ形で実施した16年度調査以降2番目に高い割合となった。採用者に占める女性の割合は、16年度以降、合格者に占める女性の割合を上回っている。国家公務員採用U種試験等における採用者に占める女性の割合は、29.1%(前年度から2.6ポイント増)。国家公務員採用V種試験等における採用者に占める女性の割合は、34.1%(前年度から2.0ポイント減)。女性国家公務員の登用状況を、一般職の職員の給与に関する法律の行政職俸給表(一)及び指定職俸給表適用者についてみると、平成21年1月現在の本省課室長相当職以上に占める女性の割合は2.2%(前年から0.2ポイント増)、うち指定職相当に占める女性の割合は1.7%(前年から0.5ポイント増)となった。なお、平成21年1月現在の本省係長相当職及び本省課長補佐相当職に占める女性の割合は、それぞれ17.8%(前年より0.4ポイント増)、5.8%(前年より0.1ポイント増)となった。
- ソーシャル・キャピタルと賃金
- 【内閣府 経済社会総合研究所】
- http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis240/e_dis240.html
- 経済社会総合研究所「Discussion Paper No.240」より。本稿では、ソーシャル・キャピタルが賃金に影響をあたえるかどうかということに焦点を当て、ミンサー型賃金関数の推定を行った。労働者間の円滑なコミュニケーション無しには生産活動の効率性アップは望めないことについては、既に多くの経済学者のコンセンサスを得ている。ソーシャル・キャピタルは取引費用の減少や労働者の折衝能力および交渉能力の向上を介して、企業に有益な効果をもたらすことから、労働者のソーシャル・キャピタルを人事評価に反映させている企業は多いが、ソーシャル・キャピタルと賃金との関係について実証的に明らかにしようとした先行研究は極めて少ない。本稿による推定結果は、ソーシャル・キャピタルの醸成が、男女を問わす労働者の賃金を上昇させるということを支持している。また人的資本が賃金に与える影響の程度は男女間で差があり、イコール・フッティングではないが、ソーシャル・キャピタルが賃金に与える影響は同程度であり、イコール・フッティングが成り立っている。
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