はじめに 「2011年4月 就職を目指す学生諸君へ」

 2008年秋に世界を襲ったリーマン・ショック以来、世界経済、北米輸出の低迷、製造業の混迷、政治無策・・・さまざまな要因の複合的“ツナミ”に翻弄された2010年就職組、未曾有の不況から超氷河期に突入したといわれる就職戦線、本当に大変だったといえる。そうしたことを裏付けるように、リクナビの調査によると、7月時点の就職内定率は58.8%、売り手市場がまだ残っていた昨年が同時期84%だったのと比べると25%の大幅減、4割強の大学生が未内定ということになる。レジェンダ・コーポレーションの調査によると、8月中旬時点で「就活終了宣言」した学生が76.5%、昨年比9.6ポイント減、「継続中」は19%、7.6ポイントアップしている。また、内定を獲得したものの、その満足度(厳しい中で獲得したという点では満足度は高いが、企業規模などの希望度から見ると)は、決して高くない。ある意味、妥協の産物のような内定が多いのではないだろうか。

 では、2011年就職組はどうなるのか。一時の最悪期は脱したうえ、政府の補正予算の一部(自動車のエコ減税、エコポイント、公共工事の前倒しなど)が効いてきて、新卒採用を再開しようとする企業も増加しつつあることは確かだ。しかし、採用復活といっても採用数の大幅な回復には視界は不良、回復途上といえる。多くの企業で、「2008年100人→2009年30人→2010年ゼロ→2011年5人」といった採用予定数の推移をたどるのではないだろうか。また、一時期、百花繚乱のように開催されていたオープンセミナー、大量のインターンシップ学生受け入れなどの施策が経費節減などの波をかぶって縮小になる可能性は高い。事実、ユニークかつ積極的なインターンシップ制度で知名度の高かった業務ソフトのワークスアプリケーションズが採用費用の半減を打ち出すなどのケースが出始めた。

 このところ気になるのは、学生格差の広がりである。2010年就職組のように、本当に厳しい就職状況でも、複数内定組は相変わらず数多く輩出された。それも意識が高い、準備をしっかりとやっていた、就職観が確立されている、知力・人間力とも高いといった学生ほど、一流どころの企業の内定を複数持っているのである。逆にいえば、多くの企業では学生を評価しているところは一緒だし、そこをクリアできる学生はどんな状況になろうとも「売り手市場」にいるともいえる。一方では、まったく歯が立たない、相手にされない、一昔前なら滑り止め企業でも最終面接にさえ進めない・・・格差はどんどんと拡大するばかりなのである。

 さて、環境は一筋の光明、やや好転の兆しが出てきた。しかし、実際は応募学生意識、自己分析・準備、就職観の確立、知力・人間力も含めた総合力、自分力が問われる時代であることは変わりがない。

 そしてその自分力を問われる就活は、既に始まっていることを忘れてはならない。


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