オープンセミナーへの参加に忙しい時期だろう。合同セミナーも活況を呈している。学内に企業を迎えての学内ガイダンスも開催されて、厳しい就職状況を反映してか学生の就活は既に走り始めている。東京、大阪、名古屋等のオープンセミナーは今や最盛期。合同セミナー開催も例年にない早さで始まり、学生に例年以上の危機感を感じる。
就活に走り始めることは良いことだが、就活の準備段階としての年内はじっくりと自己分析に取り組み、自分を知り足元を固めていくことが大切だ。就活に近道はないのだ。学校やマスコミに煽られて、足元を固めないままに飛び出すのは危険だ。とはいうものの、年内には企業との接触が始まる。お気楽にエントリーしようとしても、エントリーがそのまま事前選考になっていることも多く、自己PR・志望動機の準備・作成もどんどん前倒しになっている。自己PR・志望動機のベースとなっている自己分析を疎かにして臨めば臨むほど、悪循環に陥る可能性がある。
自己分析の作業の一つとして、学校等で実施した適性検査の結果があるなら、それをまず引っ張り出す。最近では、低学年からのキャリア教育の一環として、2年生から職業興味検査などを実施している学校も多いと聞く。自分のことを客観的な観点から把握するのに、適性検査は最適なツールといえる。
職業興味検査では、「やりたいこと」と「できること」の両面からアプローチしている物が多い。「やりたいこと=志向性」だけに着目するのではなく、「やれること=適性」「できること=能力」から考えてみることも必要だ。志望動機を考えるヒントになる。
組織心理学者でキャリア開発の第一人者、E.H.シャインによれば、人はキャリアの節目(就職活動が目前に迫る君たちの今の状態だ)に、以下の3つを自問すべきだと言っている。
@自分は一体何が得意なのか(自己の能力、才能の自己イメージ)
A自分は一体何がしたいのか(欲求や動機の自己イメージ)
B何をしているときに価値、社会の役立ち感を感じるのか(意味・価値の自己イメージ)
ここでいう何が得意かとは、自分が認識する「自分らしさ」であり、「自分の強み」「特性」と考えてもらってもいい。自分の強みが活かせる仕事に就くのが一番幸せなのだ。
また、「やりたいこと」=「できること」とはならないから要注意だ。逆に「できること」=「やりたいこと」でない場合も多い。しかし、できることを仕事にすると、無理なくスムーズに仕事に入っていくことができる。一言で言えば「楽」なのだ。
将来の仕事をどうするかを考えていく際には、@の適性とAの志向性(やりたいこと)の関係で考えていくといい。「適性と志向性」を混同している学生が多いからである。採用選考では、「できるし、やりたいと思っている」人が選ばれるのである。
やりたいことだけで考えると、主観ばかりが先行して正確な判断力は鈍りがちになる。だからこそ、適性検査結果を見て、客観的に自分の能力や適性を検討する必要がある。
現実問題として、「できること」「得意なこと」を仕事に選ぶことが持続的にできる可能性は高い。しかし、多くの学生は「やりたいこと」へ傾斜していく。では本当に「やりたいこと」が自分自身でわかっているのだろうか。
自己分析を通じて「やりたいこと」を明確にしていく。自己分析を疎かにするな。
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