VOL.02 「自己分析が就活のすべて」

 11月も中旬、オープンセミナーへの参加に忙しい時期だろう。既に一部マスコミで取り上げられているように、厳しい就職状況を反映してか、学生の就活は既に走り始めている。東京、大阪、名古屋等のオープンセミナーは今や最盛期。合同セミナー開催も例年にない早さで始まり、学生に例年以上の熱さを感じる。

 就活に走り始めることも良いことだが、就活の本格的な準備段階としての年内はじっくりと自己分析に取り組み、自分を知り足元を固めていくことも大切だと思う。就活に近道はない。王道あるのみ。とはいうものの、年内には企業との接触が始まる。気楽にエントリーしようものなら、すっかり事前選考になっていていることも多く、自己PR・志望動機の準備・作成もどんどん前倒しになっている。自己PR・志望動機のベースとなっている自己分析を疎かにして臨めば臨むほど、本末転倒、通過が覚束なくなる。

 自己分析の作業の一つとして、学校等で実施した適性検査の結果があるなら、それをまず引っ張り出すといい。机のどこかに埋もれているはずだ。最近では、低学年からのキャリア教育の一環として、2年生から職業興味検査などを実施している学校も多いと聞く。自分のことを客観的な観点から把握するのに、適性検査は最適なツールといえる。

 職業興味検査では、「やりたいこと」と「できること」の両面からアプローチしている物が多い。「やりたいこと=志向性」だけに着目するのではなく、「やれること=適性」「できること=能力」から考えてみることも重要だといえる。志望動機を考えるヒントになる。

 組織心理学者でキャリア開発の第一人者、E.H.シャインによれば、人はキャリアの節目(就職活動が眼前にある君たちの今の状態である)に、以下の3つを自問自答すべきだと言っている。
 1.自分は一体何が得意なのか(自己の能力、才能の自己イメージ)
 2.自分は一体何がしたいのか(欲求や動機の自己イメージ)
 3.何をしているときに価値、社会の役立ち感を感じるのか(意味・価値の自己イメージ)

 ここでいう何が得意かとは、自分が認識する「自分らしさ」であり、「自分の強み」「特性」と考えてもらってもいい。自分の強みが活かせる仕事に就くのが一番幸せなのだ。

 また、「やりたいこと」=「できること」とはいえないから要注意だ。逆に「できること」=「やりたいこと」にならないことも多い。しかし、できることを仕事にすると、無理なくスムーズに仕事に入っていくことができる。一言で言えば「楽」なのだ。

 将来の仕事をどうするかを考えていく際には、1.の適性と2.の志向性(やりたいこと)の関係で考えていくといい。「適性と志向性」を混同している学生が多いからである。採用選考では、「できるし、やりたいと思っている」人が選ばれるのである。

 やりたいことだけで考えると、主観ばかりが先行して正確な判断力は鈍りがちになる。だからこそ、適性検査結果を見て、客観的に自分の能力や適性を検討する必要がある。

 現実問題として、「できること」「得意なこと」を仕事に選ぶことが持続的にできる可能性は高い。しかし、多くの学生は「やりたいこと」へ傾斜していく。では本当に「やりたいこと」が自分自身でわかっているのだろうか。

 自己分析は自分を客観的に見ることでもある。自分のことを周囲の知人や年上の人たちに聞いて歩く「他者インタビュー」も同様の手段といえる。

 自己分析をじっくりと取り組む。結果的にはその方が就活はうまくいく可能性が高い。


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