VOL.4「これからの戦いとは」

 いよいよ年の瀬も迫ってきた。年明けから本格的な就活の幕開けとなる(実際は、後学期の試験後、2月からだが)。スタートに向けての準備に余念がないことを期待する。

 筆者は、3つの大学で就活支援の仕事を続けている。500人近い大学生と接しているが、その中で少々戸惑うことがある。それは『競争』という観念が感じられないことである。競争原理に極力、背を向けて教育を受けてきた“ゆとり世代”なのか、就活そのものは競争であり、他学生と競って選ばれるのであるという意識が低い。もちろん、ガチンコでケンカや殴り合いをする訳でもないが、適性検査や筆記試験を受ければ、標準偏差や得点で順位が付き、上位何人、何番目まで・・・と足切りが行われる。グループ面接、集団討議面接でも、その場に居合わせた学生と比較検討されているのだ。説明会でも、一番前に座る学生、数多く、また、鋭い質問をする学生・・・当然、担当者の好印象を獲得しようと躍起になるのも競争だからだ。

 業種・業界、地域の差や文理の仕事の違いを無視したやや強引な言い方だが、22年3卒の就職希望の四大生40.5千人、短大5.5千人、高専5千人、専修学校生23.3千人計69.8千人が、約60万件の求人を競うのだ。それに加えて、来年度は就職延期制度を利用して4年生を2度やった学生が約7万人戦いの場に出てくる。同じ土俵ばかりではないが、各所各企業で、限られた椅子を巡って壮絶な戦いが繰り広げられるのだ。もちろん、他大学の学生も、自校の学生もライバルだし、地方であれば同一エリア内学生もライバルであるし、U・Iターン学生も競争相手である。

 加えて、戦いは日本人同士だけではなくなってしまった。ファーストリティリング、ローソン、楽天では、アジアを中心とする外国人の新卒採用が5〜2割を占める計画が進んでいる。日経ビジネス2010.11.8号によれば、ドンキホーテが中国で実施した1次面接に5000人が殺到したとのこと・・・その中で選ばれた中国の学生が入ってくるのだ。新卒採用枠にもグローバル人材の視点が加わってきたともいえる。従来の海外進出のための少数採用から、海外に拠点を拡充していくための戦略的採用に転換していく企業も増加していくであろう。今後、それが主流になっていくといっても過言ではないだろう。自らの雇用を外国人と競う時代になってきたことを改めて認識するがいい。まして、外国人は闘争心、競争心は日本人の比ではないくらい高い。内なる日本人との戦い、外からの外国人との戦い、まさに新卒を取り巻く環境は内憂外患の様相である。

 別段、人をけ落として、押しのけて、狡猾な手段・方法で「勝て」といっているのではない。自分は自分の良さを最大限アピールして、選ばれればそれでいい。しかし、根底に「競争」「競わされている」その結果、「選ばれる」ことを忘れてはならない。選ばれるための基礎学力や各種研究も必要だし、更に、一工夫、アピール度をいかに高めていくかの努力も怠ってはならない。


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