VOL.6「働く目的を考えてみよう」

 試験が終われば、いよいよ本番突入だ。戦う備えは十分だろうか。戦えるだけの武器は揃えたか。今一度、総点検してみることだ。

 さて、情報収集とともに、エントリーにいそしんでいる学生諸君は多いと思うが、自己分析を疎かにして就活が成功することは不可能に近い。毎日30分ずつでいい、自己分析を前に進めていくことが勝利の近道でもある。その自己分析の中で、取り組んでもらいたいのが「働く目的」を明確にすることである。

 小学校→中学校→高校→大学・短大と、当たり前のように階段のキャリアを上がってきた。次は当然、就職というように、あたかもそこに道があるように当たり前の人生のレール、階段、エスカレーターみたいなものに乗り、現在に至った人がほとんどだろうと思うが、実は、大学・短大から就職、社会に出ていくことの間にはつながりはない。「就職しない」という選択肢や、いきなり起業するという「人に使われない」生き方もあるのだ。

 多くの学生に働く目的を質問すると、「自立するため」「お金のため」に集中する。中には「安定のため」という意見もある。確かに、就職をすると継続して安定的な収入が得られる(可能性が高い)。バイトは時給だが、月給あるいはボーナスを含めて一定額が基本的には保障される。また、有給休暇内であれば休んでも給料が支払われ、就職すると“誰でも”経済的(表面的には精神安定的)には一定の安定性は獲得できる。

 しかし、“お金を得る”という要素は「より高い給料を獲得できるか」という金額面の高低での比較でしかないのではないか。今、全国平均で大卒総合職の初任給は20万円台前半、理工系で20万円台後半、初任給の差はさほどではない(もちろん大企業・中小企業の差、業界格差・地方格差はあるが)。より多く貰いたければ、同期であっても能力・実績主義の会社や当初から歩合や成果給の比率が高い仕事、契約社員採用で高い賃金を支払う会社…「お金のため」の選択肢は無数にある。お金の多寡を考えなければ、就職しさえすれば、定期的に一定額は確保できる…お金をもらうことだけを考えれば職業選択の幅は広がらない。

 22歳で就職する。裁量労働制が引かれていようと基本的に1日8時間働く。通勤時間は前後少なくても1時間、残業も多少する。となると1日10時間。アフターファイブの付き合いだ、会議が延長だ・・・といったことで12時間、1日の半分。定年延長で65歳まで働くとして43年間、実質、その半分21年間近くを仕事・会社で過ごすのがこれからの人生だ。その長き職業人生を、「お金」だけで過ごすのは侘びしいし空しい。くどいが、就職して働けば、お金は付随して確実に付いてくるものなのだ。

 では働く目的は何であろうか。

 「社会貢献」「世の中との関わり方の一手段」「自分の人生の夢・目標を実現するための手段(言い換えれば、自己実現の手段)」、「食べるだけ」が働く要素ではないだろう。

 人が働く目的は十人十色、いや、一人十色であっていい。自分ならではの働く目的を考えるのも自己分析なのだ。たぶん、「自分ならではの働く目的」がそのまま、志望動機の一部に使える可能性もあるし、面接の質問にも答えられる。考えてみることだ。


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