VOL.8「より早く、より多く、より広く」

 今年の就活のキーワードは「より早く、より多く、より広く」だそうだ。「より早く」は、当然のように企業(特に大手企業)の採用選考の早期化に対応して、1日でも早く就活に突入していくことが上げられる。それに加えて、企業説明会への予約申し込みを1分でも1時間でも早く行い、席を確保しなくては応募できなくなってしまうことでの「速さ」「スピード」が該当するだろう。

 「より多く」は、これも当然のこととしてエントリー数、説明会予約数、合同説明会への参加数など「数の確保」が該当する。エントリー数に比例して説明会参加数が決まってくるのであり、エントリー時点で選考されることもあれば、エントリー後提出するエントリーシートでの選考、企業説明会の定員に入れない、同じ日に数社の日程が重なって泣く泣く応募を辞退する、資料を読んで応募意思が減退する・・・など、さまざまな事情が重なって、1月までのエントリーした300社の母集団も3月中旬には2−30社まで絞られてくるのもザラである。また、“量質転換”という言葉があるが、質を確保しようとすれば自ずと量が求められる。何でもそうだが、より多くのこと(情報、企業、会った人の数など)から選択することが選択眼や評価眼が養われ、より良い選択につながるのだ。ましてや、業界研究もままならない諸君では、少しでも多くの情報に接して視野を広げていくことが必要なのだ。

 「より広く」は、応募先の拡大を指すのだろう。一つは、大企業や地方の有力企業、人気企業ばかりに意識を奪われることなく、中堅・中小企業、ベンチャー企業にも視野を広げていくことが上げられる。上(一点)ばかり見ないで、下も横も見ようということだ。頭から無理だとはいうつもりはないが、大企業・有名企業のハードルは最初から高い(もちろん、中堅・中小、ベンチャーのハードルが低いとは限らない)うえ、多くの学生が殺到し競争は激しい。それに打ち勝つ準備、能力があれば良いが、そうでない場合が大半である。そこで徒に時間を浪費するよりも、自分の主戦場は他にあると考えて(選択肢を広げて)いくことも就活成功戦略の一つである。そのことを今一度、考えてみるといい。

 また、「より広く」は地域の広がりも加わる。地元で就職したい気持ちもわかるが、大都市圏以外、就職先のエリアを狭めるほど就職先は限定される。ときには、大企業以上に競争率が高くなることもあるだろう。地元での求人が少ないのだから、働く場所を見直す必要ことが必要になる。あるいは、東京本社の会社でも地元に事業所(支社・支店、営業所、工場等)があるなら、そこへの勤務も考えられるはずだ。あれこれ言う前に、まず可能性を追求することが先決ではないだろうか。そう考えれば、合同説明会への参加の範囲も広げなければならないし、エントリーの視点も変えるべきだろう。
 「より早く、より多く、より広く」−発想・着眼の転換とその実践が、今後の就活成功の鍵になる可能性は高い。


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