VOL.9「落ちまくりを打開するには」

 いよいよ3月、就活も前半期の山場を迎え、第一次内々定出しのピークもすぐそこに迫ってきた。3月に入れば選考も佳境になり、合同説明会から個別説明会へ、集団討議面接からグループ面接に・・・と、応募先企業との接触・選考も一層リアルになってきた時期だろう。

 今年も厳しい就活環境を裏付けるように、私のもとには「落ちまくり学生」のメールが数多く寄せられている。お祈りメールも多数手元に届き、「本当に厳しい!」「自分は大丈夫だと思っていた」といった言葉が飛び交い始めてきている。今年は昨年以上に、エントリーシートを含む書類選考で落とされるケースが増加している。面接まで進むことさえできないのだ。

 就活の特徴に、学生諸君には気の毒だが、「落ちた理由がわからない」というものがある。書類(エントリーシート)選考で落ちたとして、その原因が「自己PRがアピール不足」「具体性のなさ」「エピソードのレベルの低さ」「誤字脱字が4個あった」「字が読みにくい」「志望動機の論理性に乏しい」と、通過できなかった理由や教えてくれることは皆無に等しい。返却されてきた履歴書に赤字が入っている訳でもなく、コメントが付いている訳でもない。なぜ落ちたかは闇の中である。だから、多くの学生は落ちる可能性があるかもしれない自己PRや志望動機を送り続け、そして落ち続ける。こうして負のスパイラルに陥り、あり地獄にはまっていく。面接も同様だ。面接官はうなずきながら、(熱心そうに)君たちの話を聞いてくれる。それを見て、面接官が高い評価を与えてくれていると思ったら大きな間違いだ。自分の発言を柔らかく受けとめてくれるから安心してはならない。相手は君からもう引き出すものがないと悟ったかもしれないし、君に興味を持てなかったのかもしれないのだ。面接では、その場で「合否」は伝えられないことが多く、通過したか落ちたかはほとんどわからない。

 仮に落ちまくる状況に陥ったら、そのまま同じパターンで企業を応募し続けることは危険きわまりない。そうした場合どうするのか。「一度、立ち止まること」が必要であり、「現状を総点検すること」である。そのためにも一度、就職部(課)に行き、現状を客観的に評価してもらうことが必要だ。そのうえで、早急に本番で戦うための建て直しを図ることだ。

 これまでの就活を振り返り、自己分析が甘いなら早急に見直す。自己PRではキャッチフレーズ、エピソードを自己分析に基づいて再検討してみる。志望動機の具体性はどうか。本当にやりたいことを具体的に訴えているだろうか。

 業界研究はまだまだ不足しているのが大半だ。企業研究だけに集中せず、業界・職種の研究を広く、そして深く掘り下げていくことだ。同一業界の企業を応募するなら、その研究は汎用性を増す。1社1社志望動機を考えていることはないだろうか。それこそムダというもの、やりたいことが明確なら、それをどの会社で実現するかはバリエーションの範疇に過ぎない。志望動機は基本は1本、応募企業に合わせて変える部分はほんの一部で良いはずだ。

 最後に、「覚悟」はどうか。本気で就職して働いていく意識・意欲はもっているか、自分自身に問うてみることだ。そして、企業に自分の熱さを伝えているかも見直してみることだ。

 浮ついた気持ちでフワフワと就活をドリフト(漂流)している間に、いたずらに時は過ぎていく。負のスパイラルから抜け出せないまま、前半期が終わってしまう学生も多い。そんな事態に陥る前に、「立ち止まり」「自分の足元から」「見つめ直してみる」ことである。


− 「ここだけは読め」一覧へ −