VOL.09 「負のサイクルに陥るな!」

 いよいよ春本番、就活も前半期のクライマックス、内々定出しのピークもすぐそこだ。いつか来た道とはいえ、日本経済は再びデフレスパイラルに陥ってしまった感があり、新卒採用の動向も今ひとつハッキリしない。いやハッキリしないどころか、深く濃厚な霧の中にさまよっている感もなきにしもあらずの状況といえる。

 厳しい就活環境を裏付けるように、最近、私のもとには「落ちまくり学生」のメールが数多く寄せられている。多くの学生が事の顛末に続いて「厳しい」「自分は大丈夫だと思っていた」という言葉を加えるのが毎度の光景になってきている。特に、今年は昨年以上にエントリーシートを含む書類選考で落とされるケースが増加している。面接まで進めない傾向が顕著になっている。

 就活の面白いところと言ったら学生諸君には気の毒だが、「落ちた理由がわからない」という特徴が就活にはある。書類選考で「あなたの自己PRがアピール不足」「誤字脱字が4個あった」「字が読みにくい」「志望動機が論理性に乏しい」と、通過できない理由や点数を教えてくれることはまずなく、返却された履歴書に赤字も入ってはいない。だから、多くの学生は落ちる可能性の高い自己PRや志望動機を送り続け、そして落ち続ける。こうした負のスパイラルに陥って抜け出せない学生はとにかく多い。面接も同様だ。面接官は、うなずきながら君たちの話を聞いてくれる。その状況を見て、相手が自分のことを納得してくれている、高い評価を与えてくれていると思ったら大きな間違いだ。自分の発言に突っ込んだ質問がないなら、相手は君からこれ以上引き出すことがないと判断したか、君のことをもっと知りたいという興味を持てなかったのかもしれない。面接でも、最終面接は別としてその場で「合否」は伝えられないことが多く、通過したか落ちたかはほとんどわからない。

 もうすぐ、一部の大手企業を中心に採用選考のピークが来るだろう。早く負のスパイラルから抜け出さないと手遅れになる可能性がある。自分ではなかなか原因には気が付かないことが多いから、とにかく一度、就職課に行って客観的に評価してもらうことが必要だ。そのうえで、本番で戦うための最終チェック、建て直しを図ることだ。これまでの就活を振り返り、自己分析が甘いなら早急に見直す。自己PRではキャッチフレーズ、エピソードを自己分析に基づいて再検討してみる。志望動機の具体性はどうか。本当にやりたいことを具体的に訴えているだろうか。

 業界研究はまだまだ不足しているのが大半だ。企業研究だけに埋没することなく、業界・職種の研究を広く、そして掘り下げていくことが内定への近道といえる。同一業界の企業を応募するなら、その研究は汎用性を増す。1社1社志望動機を考えていることはないだろうか。それこそムダというもの、やりたいことが明確なら、それをどの会社で実現するかはバリエーションの範疇に過ぎない。志望動機は基本線は1本、応募企業に合わせて変える部分はほんの一部で良いはずだ。

 最後に、「覚悟」はどうか。本気で就職して働いていく意識・意欲はもっているか、自分自身に問うてみることだ。そして、企業に熱く自分を語っているかも見直してみることだ。

 浮ついた気持ちでフワフワと就活をドリフト(漂流)している間に、徒に時は過ぎていく。負のスパイラルから抜け出せないまま、前半期が終わってしまう学生も多い。それでは取り返しの就かない事態に陥ってしまう。もう一度、自分自身、自分の足元から見つめ直してみることである。


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