いよいよ春本番、ポカポカ陽気に誘われて、遊びに、行楽に・・・と春を満喫したい気分だが、就活真っ只中の学生諸君にはそうした気分になかなかなれないであろう。相変わらず景気は、深く濃厚な霧の中にさまよっている感がありスッキリしない。昨年までの暗澹たる気分よりは多少は好転していると思えるが、雇用の不安定さ、雇用そのものの不安から起こる消費の手控え、その結果起こる企業業績の低迷、そして雇用・賃金カット・・・日本経済は再びデフレスパイラルに陥ってしまった感があり、一部の勝ち組企業や内需関連企業での採用意欲は旺盛だが、多くの企業で新卒採用の動向は今ひとつハッキリしない。
企業の採用意欲は置いておくとして、学生諸君の就職意欲、働く意欲はどうだろうか。環境の厳しさを背景に、焦る気持ちが空回りしていないかも心配だが、模擬面接や企業の面接場面に立ち会っていると、学生諸君から覇気、意欲、熱意、波動みたいなものが伝わってこないのが残念でしょうがない。声を大にして熱意溢れる自己PRや志望動機をアピールする学生は本当に少ない。多少の論理性の欠如や根拠の不明さはあっても、力強く本気度が感じるプレゼンテーションであれば、企業担当者の心は動く。それを忘れてはならない。
いささか古いデータで恐縮だが、昨年、某就職情報会社が企業向けに「採用活動に関する調査」で、学生に欠けているもの上位3つを聞いたところ、「熱意」「コミュニケーション能力」「バイタリティ」が上がったという。特に、「熱意」に関しては、文系理系を問わず4割の企業がトップに上げたという。それはそのまま、熱意の感じられない学生が数多くいたことの証拠であり、企業から見れば応募学生への物足りなさの象徴でもある。
そして、もう一つ、大切なことは、そのように「熱意」が感じられない、伝わってこない学生が多いということは、きちんと熱意を示せれば他学生との大きな差異化も可能だということだ。
「熱意」とは、単に「声を大にしてアピール」するとか、ジェスチャーが大きいとか、といったものだけでなく、この仕事がしたい、この会社で頑張りたい、自分の人生の夢・目標を達成するための手段として、この業界・この職種・この会社に人生を賭けたいという想いが伝わってくるか、である。
加えて、熱意にふさわしい研究をしているかどうか、業界・職種・企業研究の深さと広さにも表れてくるものである。内容も浅く研究の幅も狭い志望動機や研究成果を示されても「本気なの?」と熱意以前のレベルを疑われてしまう。熱意は行動の差に直結する。
もうすぐ、一部の大手企業を中心に採用選考のピークが来るだろう。狭い採用枠に多くの学生が殺到してくることと、数が目的ではないはずだから厳しい眼で採用選考してくるうえ、安易な内定は出さないだろう。相当厳しい選別が待っているはずだ。
そのときまでに、本番で戦うための最終チェックをすることだ。これまでの就活を振り返り、自己分析が甘いなら早急に見直す。自己PRではキャッチフレーズとエピソードに関して自己分析を踏まえて再検討してみる。志望動機のアピール度はどうか。本当にやりたいことを具体的に訴えているだろうか。
そして、そのすべてのベースになる熱意は感じられるだろうか。もう一度、自分自身、自分の足元を見つめ直してみることである。
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