VOL.13 「いいのかい!こんなことで」

 いよいよ緑輝く初夏、5月に入ってきた。諸君の就活は順調に進んでいるかな?丁度、GW明けは内々定出しのピークだ。前半の山場の到来である。

 昨今、気になることがある。今、大学に広がっている「卒業延期制度」だ。卒業資格を既に有している大学4年生が、就活のために大学に残る制度で、一部の情報によると青山学院大学、中央大学、東京工芸大学、湘南工科大学などが実施しているという。

 就職浪人になると「無業者」、就活は中途と一緒、もしくは第二新卒的な扱いになり不利になるという理由からの卒業延期で、新卒という“ブランド”を確保することが目的だ。その代償は、履修費2-3万円と授業料の半額という金銭的なものだけでないだろう。

 企業担当者から見れば、半年なり一年先送りする学生の面接は格段に厳しくするはずだ。やはり3-4年生時期の就活への姿勢が気になる。そこに納得できる理由が出てこなければ、厳しい現実から逃げたと言わざるを得ない。現実、目の前の状況から逃げても、次の年、内定を獲得できる保証は何一つない。また、こうした制度を設ける大学も大学だ。

 本来、4年で卒業、就職させるのが大学の責任、役割ではないのか。そんな延命措置に頼っていのだろうか。それこそ、役割の放棄に近い。それが教育か!

 もう一つ、気になることがある。それは就活指導の前倒しである。企業が早いから「学生も早め早め」の行動を・・・。その意味合いはわかるが、それでは企業の早期採用活動を批判してきたこれまでの姿勢が問われる。また、実際に今年の大企業の姿勢を見ていると、採用選考そのものの時期は以前より随分と遅くなっている。

 大企業の採用活動遅くなれば、その分、一部のベンチャー企業を除いて中堅・中小企業と時期がずれる。それが実体だ。煽られ、就職できずにさらに5年生をやらされる。それでいいのか。大学と世の中のズレを感じる。

 また、「新卒者就職応援プロジェクト」をご存じだろうか。国が予算108億円を組んで始める就職支援事業である。
 まだ就職先が決まらない既卒生を対象に、企業研究のインターンシップに通えば、日当7,000円支給するという。1日7時間以上、企業の実施する技能研修(現場実習と言う名の就労)で期間は最長6ヶ月。確かに1日7,000円 、1日7時間で時給1,000円のバイトと思えば割がいい。フリーターと称するよりも、国のインターンシップ研修に参加していると言えば世間体もいいだろう。ところが、「新卒者就職応援プロジェクト」の構造を見ると疑問符だらけだ。既卒生には1日7,000円の日当が出るが、企業の負担は半分の1日3,500円、7時間で割ると時給500円、最低賃金を2-300円下回る人件費負担で若い労働力を確保・使用できることになる。企業にとって断然有利な制度である。


 希望すればその企業の正社員に登用される保証はまったくない。
 学生諸君、本当にこれでいいのか!



− 「ここだけは読め」一覧へ −