VOL.17 「厳選採用を乗り切れるか3」

 4.業界へのこだわりはあるか
 今の学生の応募行動は基軸が感じられない。地元志向の強さだけはうかがえる。このWebに相談に来た学生で、第一志望・テレビ局総合職、第二志望・大手総合商社事務職、第三志望・メガバンクテラーという女子学生、第一志望・IT系企業営業職、第二志望・塾教師、第三志望・製造業事務職という男子学生、それでも放送局は軒並み受ける、塾は6−7社応募するというならまだしも、それぞれの業界を1社もしくは2社程度受けるだけ(ちなみに2人ともすべて落ちた)という応募パターンの学生が多い。私はこうした応募パターンをする学生を「ピンポイント応募」と呼んでいる。本来ならば、マスコミ志望、銀行業界志望・・・とターゲットとする業界や周辺業界を志望する学生は、業界下位企業から上位企業へと“層”で応募するか、業界全体を“面”で受験していく。しかし、前述した学生は“点”でしか受けない。それでは業界研究は当然浅くなる。それどころか、企業研究ばかりして業界研究すらしていない学生も多い。応募先の企業は、その業界で激しくライバル社と戦っている人たちが面接するのだ。業界研究不足、不勉強、こだわりもないでは、その業界で戦う意識が薄いと判断せざるを得ない。そんな学生に内定は出さない。

 5.地元志向でいいのか
 生まれてから22年間地元に居て、毎日、ほぼ同じ光景、風・空気を感じ、見知っている人の中だけで生きていく・・・それが悪いとはいわないが、出てくる発想は見てきたもの、経験してきたものの域を超えることはない。せめて、大学4年間は大都市圏で・・・といっても、金銭的・学力的な面もあって難しい人もいるだろう(国公立大学は別として、地方の私学は偏差値Fも多い)。少子化によって一人っ子を地元以外に出したくない親心もわかる。しかし、その代償が就職先の少なさである。親を納得させる就職先は、公務員、地銀、電力・ガス、鉄道・バスなど一握りしかない。そこも激しい競争がある。 私は地方企業への採用コンサルティングをしているが、「ずっと地元にいた国立大学出身の学生」より、「偏差値は低い私学で良いから、4年間、首都圏・関西圏で学んだ学生を採用してくれ」という企業トップが圧倒的に多い。 まして、ドメスティクな事業しかしていない企業は別として、市場は北米から中国をはじめとするBRICSやアフリカまで伸びている。そんな中、「国内だけ」ならまだしも、「地元だけ」という学生を採用する大手企業はないといっていいだろう。 時代はグローバルな市場開拓の先兵、基幹人材を求めている。ユニクロの新卒採用予定者1000人の2/3は外国人にする意向を打ち出した。大手企業を目指すなら、視線も思考もグローバルが要求される。

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